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叩く

後半の稽古では一般部がメインとなり「拳足鍛錬」を中心とした内容となっています。

最近では高校生も少しずつ柔らかいモノ(通常使用するミットよりは硬い)から叩くようになってきました。

多少嫌な顔をする面々もおりますが、そこはセンセイの笑顔と供に半強制的にやらされている:笑

上肢では正拳・手刀・裏拳を、下肢では足首を少しでも強くするための鍛錬ではありますが、決して表面的に強く

する事が目的ではありません。

 

よく誤解されるのが「拳ダコ作り」のために叩くという事です。

今の若い世代には理解出来ないでしょうが、確かにワタシの若い頃は空手師範の拳ダコは憧れではありました。

しかしながら拳ダコを作るために叩く、というのは本末転倒でありそのような意識では叩く意味も無い事だけは理解

して欲しいと思います。

昔は空手をかじった程度の連中が、拳頭を軽石で擦ってカサブタを作ったりして「拳ダコみたいな」ニセ拳を

自慢していたりもしました、、そんな拳はすぐにファッションだとバレちゃいますし恥ずかしいですね。

 

毎回言う事ですが、拳は握って何かを叩くように構造上出来ていない。

そんな拳足を力を伝えるための道具や武器に変える事が空手での鍛錬の意義と考えています。

足の運びから始まり拳に力を伝える、股関節(鼠径部)の締め方、腰(骨盤)の揺り戻し、脱力から緊張への振り幅、

そんなとても「繊細な身体の使い方」を意識しながら全力で叩く事が大切となります。

その結果、持ち手の胸から背中に突き抜けるような威力が生まれるのです。

 

今後も表面的な拳の変化を追い求めるのではなく、突き蹴りの精度を上げるための鍛錬であって欲しいと願います。

そこに武道としての「身体操作」や「理合」が伴わなければ、ただ拳が硬いだけのオッサンです:笑

試し割やモノを壊すだけの拳や足ではいけませんし、それが対人稽古に活かされなければ、、ですね。

ある空手団体の言葉ですが、

「拳に心が宿る時それは鉄拳となり、心に拳が宿る時それは誠となる。鉄拳は巌を砕き、誠は人の心を打つ」

というのがありまして、、、ワタシも非常に感銘を受けました。

当会も以前はよくTシャツ等を作っていましたが、胸元のロゴは「拳魂」でした~まだ持っている稽古生いるかな?

その言葉通り、今後も魂込めて叩いて下さいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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コメント: 2
  • #1

    しおあき (金曜日, 02 12月 2022 08:30)

    センセイ、3連続のblogアップ、有難うございます!じっくり拝見させて頂きました!
    昇級審査は毎回本当にドキドキさせられながらも、こちらも学び、気付きが多い場だとつくづく感じさせられます。今回は初?のギャラリー無しでしたが、時間があるならば、もっと多くの方にぜひ見て学んで欲しいと思います。時々、感動のドラマもありますから!
    また一般部中心の拳足鍛錬ですが、最近皆さん夢中に取り組んでいますね。まだまだ突き込めてなく稽古が足りませんが、拳ダコのあるただのオッサンにならないよう、精進してまいります!

  • #2

    マサマン (金曜日, 02 12月 2022 10:03)

    しおあきさん、ありがとうございます。
    審査はいつも本当にドラマがありますね!緊張、悔しさ、涙、疲労困憊からの喜び、感動・・・
    厳しく評価するだけでなく学びの場でもあるべきですし成長の場ともなって欲しいですね。
    拳足鍛錬もその意味をしっかりと意識しながら突き込んで欲しいと願っています。
    空手本来の本質的な鍛錬だと信じていますので、今後も頑張って下さいね~